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LustRoom001 END-A SS

※R-18ゲイ向けのSSです。

逃亡者の受難エンド

(甘さ:★★★☆・)

「ハァ…ハァ……くそ、暑ぃ……」
            
             真夏の日差しが照りつける住宅街を黒いサウナスーツを着たガタイのいい男が走っていた。男の名前は矢坂皇介。つい最近まで某有名格闘技団体の無敗の王者として君臨していたが、暴力事件を起こして以来その座から転がり落ち、今では下着で空き巣に入り家の中の服飾品を着て出ていく窃盗犯になり果てていた。
            
            「あのオッサン、なんでサウナスーツしか持ってねぇんだよ」
            
             空き巣に入って見つかりクローゼットに監禁された部屋で、矢坂が見つけた服はこの黒いサウナスーツだけだった。家主が着ていたTシャツとスウェットを奪う手もあったが、肌に張りつく汗ばんだ男の服をそのまま着るのはさすがに抵抗があったようだ。
             とはいえ、このサウナスーツもかなり汗臭い。長年使い込んだ男の汗の匂いがこびりついていた。
            
            「シャカシャカうるせぇけど、これ着てたら走ってねぇと不自然だしな……あぁ、すげぇ汗臭ぇ……ジムのロッカーもこんな匂いしてたな……はぁ、日が暮れたら、次の家狙うか。早く靴も履き替えてぇし」
            
             矢坂の独り言は止まらない。いつもは外に隠しておいた靴を履いて逃げるが、思ったより早く起き上がってきた家主から逃げるため、家主の靴を素足のまま履いてきてしまっていた。幸い走りやすいランニングシューズだったが、サウナスーツと同じく使い込まれていて、先ほどまで履いていたであろう男の汗で蒸れた感触が靴の中に籠っていた。
            
            「水虫とかねぇよな……サウナスーツでもインキンとかうつったりすんのかな……」
            
             いつもは洗濯された服を物色してくすねるため、今回の汗臭い服と靴に妙な不安を感じてしまう矢坂。その不安感が表情に表れていたのか、はたまた、黒いサウナスーツの男が住宅街を走っていることに違和感を感じたのか、吸い寄せられるように一人の男が矢坂に声を掛けた。
            
            「そこの黒い服を着て走っている方、ちょっと止まってもらっていいですか?」
            「っ!?」
            
             矢坂は声の方に振り返り、目を見開く。自転車から降りて近づいてくる若い制服警察官の姿がそこにあったからだ。思わず目を逸らしそうになるが、不審に思われないようしっかりと警察官の方に体を向けて対峙する。
            
            「ハァ…ハァ…あの俺、トレーニング中なんすけど、何か用っすか?」
            「お忙しいところ、すみません。この辺りで空き巣被害が多発しているので、あまり見かけない方には積極的に声を掛けるようにしているんですよ」
            「あ、空き巣ってあのニュースになってる下着で入ってくる変なやつのことっすよね。下着姿っていうから、すぐに見つかりそうなもんすけど……」
            
             連続下着”で”泥棒のことはすでにニュースで流れ、この辺りでは有名な話になっていた。矢坂自身それをスリルと感じるようになっていて、下着姿になって空き巣をすることをやめられなくなっているくらいだった。
            
            「日中は盗んだ服を着ているようなので、着慣れていない服を着ている感じと言いますか、そんな部分を見るようにしています。あなたは……」
            「っ、お、俺は格闘技やってるから、汗出しのサウナスーツは着慣れてるっすよ!」
            「それはいつもそのサウナスーツを着て走っているという意味ですか?」
            「そ、そうっすよ。汗だくになるサウナスーツなんて、人の使わないじゃないっすか!」
            「では……嗅がせてもらえますか?」
            「えっ!?」
            
             警察官の思わぬ申し出にうろたえる矢坂。職質といえば世間話程度だと考えていた矢坂は、匂いを嗅ぐという行為が入ることに動揺を隠せない。
            
            「か、嗅ぐって何を……」
            「服にこびりついた体臭ですよ。私、鼻が利くので臭気判定を捜査に取り入れているんです。そのせいで、犬のお巡りさんなんて呼ばれちゃってますけどね」
            
             そう言って屈託なく笑う警察官の顔で、体臭を嗅ぐなんてありえねぇだろ!という逆ギレ展開が未然に防がれてしまう。
            
            「……どこ、嗅ぐんすか?」
            「腋が一番わかりやすいので、いつも皆さんには腕を万歳してもらって嗅がせていただいてます」
            「えっ、いつも皆さんに?……マジっすか」
            
             腋を嗅がせる行為は、警察官に言われれば誰でもやることであり、やらないと不自然だと先に宣言されてしまった矢坂。
            
            「あ、あっ、でも俺、今、すげぇ汗臭いっすよ!」
            「大丈夫です。部活帰りの野球部員やラグビー部員の腋の汗臭さで十分に慣れていますから」
            「マジで全員の腋嗅いでるんすね……っ……」
            
             警察官に平然と言われ、矢坂はもはや断ることができない状況へといつの間にか追いやられていた。
            
            「では、腕を上げてもらえますか?」
            「……う、うっす」
            
             観念し、警察官に向かって腕を上げた矢坂は、万歳の格好をして静止した。
            
            「では、まずしっかりと嗅げるように、指で押して、汗を服に滲ませますね。少しくすぐったいかもしれませんが、腕は上げたままでお願いします」
            
             警察官はサウナスーツの上から矢坂の腋の窪みに親指を入れ、腋汗をサウナスーツに擦りつけるように、指で撫で始めた。
            
            「っ!?んっ、くっ、ふっ、ううっ!」
            『腕を閉じようとしないでください。必要なことなんですから』
            「そんっ、なっ、くすぐっ、てぇしっ……んはっ、くふっ、くくっ」
            
             万歳した腕をぶるぶる震わせながら、腋を撫でられるくすぐったさに必死で耐えようとする矢坂。走っていた時より多くの汗が腋から溢れだす。
            
            「おや、おかしいですね。汗が絡んだ腋毛の感触が……まさかサウナスーツを直に着ているんですか?」
            「んくっ、し、下は、タンクッ、トップ、着てる、っす」
            「なるほど、腋汗は流しっぱなしなわけですね。これは相当汗臭そうだ……でもサウナスーツにはなかなか滲まないから、もう少しだけ撫でさせてくださいね」
            「んふっ、くふっ、はははっ、指増やすの、反則っ!んはっ、はははっ!!」
            
             今度は親指以外の四本の指で撫で上げるように腋を刺激され、矢坂の口から堪えられない声が溢れた。日中の住宅街に人の気配は少ないが、通りで万歳をしたまま腋をくすぐられるのはさすがに恥ずかしく、矢坂の体は紅潮し、さらに汗が噴き出して、汗臭さはどんどん増していった。
            
            「この位吸わせればいいですかね」
            「っ……ハァ…ハァ……部活生とかにもこんなことしてんすか?」
            「ええ、同じ部の友人たちの前で強がりながら、必死で笑いを堪えようとして汗を流す姿は可愛いものですよ」
            「へ、へぇ、そうなんすか……」
            「では、腋を嗅がせてもらいますね」
            「っ!?」
            
             万歳をしたままの肩に手を添えられ、さりげなく後ろに引けないように固定された矢坂の腋に、警察官は思いきり顔を埋め、鼻を鳴らして深呼吸し始めた。
            
            「スーーーハァァァァッ……スーーーーーハァァァァッ……」
            「え、あっ、そんな嗅ぐんすかっ?んなもん、鼻曲がるくらい汗臭いだけに決まって……」
            「スーーーハァァァァッ……スーーーーーハァァァァッ……」
            
             動揺して出た矢坂の上擦った声など無視して、深い呼吸で腋の匂いを嗅ぎ続ける警察官。顔を埋めて腋を嗅がれる恥ずかしさはくすぐりより効いて、腋汗が滝のように流れ、汗臭さがムワッと広がった。
            
            「なるほど、ではこちら側も……スーーーハァァァァッ……スーーーーーハァァァァッ……」
            「ううっ……汗臭さなんて、片方嗅げば分かるんじゃないっすか」
            「心臓の近さで汗の量は変わるんですよ。それに腋の匂いには左右差があって……」
            「んくっ、ふっ、あっ、鼻、押し付けるの、ヤバいっす!う、く、ふふ、ははっ!」
            
             腋に顔を押し込んだまま腋汗の匂いについて力説された矢坂は、男に腋を嗅がれ分析され、鼻で腋をくすぐられる恥辱に、万歳をした格好のままただただ耐えるしかなかった。
            
            
            「ふぅ……腋汗の臭気判定はこれで終了です。もう腕を下ろしていいですよ」
            「ハァ…ハァ……っ……」
            
             どノンケの矢坂にとって、腋を無防備に開けっぴろげにすることなど大したことではなかったはずだが、この経験により腋を晒す恥辱を知ってしまったのは言うまでもない。
            
            「で、ど、どう思ったんすか?」
            「あなたの腋は他の誰よりも汗臭く、とてもきつい匂いが漂っていました」
            「へっ!?」
            「腋を嗅がれる恥ずかしさから来る汗臭さは誰からも感じますが、あなたの場合、緊張や不安による腋汗が他の方より明らかに多い。何か隠し事をされているようですね」
            
             腋の匂いで冷静に分析され、突き付けられる。だが核心に迫るような具体的な質問ではないので、矢坂はしらばっくれることにした。
            
            「い、いや、なんのことだか……」
            「ここから1キロほど東へ行ったアパートに住んでいる、黒井正一さんという方をご存じではないですか?」
            「黒井っ!?」
            
             先ほど空き巣に入った家の表札には”黒井”という文字が並んでいた。一瞬ハッとしたものの、空き巣犯だとバレてはまずいと平静を装う。
            
            「し、知らないっすけど、その黒井…さんて人がどうかしたんですか?」
            「そのサウナスーツは黒井さんの物で、あなたは盗んで着て来たのではありませんか?」
            「なっ!?えっ、違うっすよ、これは俺のっす!」
            「黒井さんはその……私の天敵とでも言いますか……私の姿を見かけたら駆け寄ってきて、腋の匂いを無理矢理嗅がせてくる稀有な方なんです。鼻が痺れるほどの濃い汗臭さが今も鼻腔に残っています……そんな方の匂いを間違えるわけがありません!」
            「っ!?」
            
             ありえない理由で窃盗犯だと断言されてしまった矢坂はうろたえながらも、考えを巡らす。現職警察官とはいえ、相手は一人。元格闘家で腕っぷしに自信のある矢坂は、強硬策に打って出て、素早く逃げるのが得策との結論に至った。
            
            「バレちゃ仕方ねぇな!俺に声掛けちまったことを後悔しろよ!」
            
             そう叫び、目の前の警察官に向かって殴りかかる。
             だが、矢坂が警察官を殴るために腕を引いた瞬間、腋に強烈な違和感を覚え、動きがピタリと止まってしまった。
            
            「んあっ!?なっ、なんだっ!腋、擦れて、あぁっ!」
            
             腋の感覚の鋭さに焦る矢坂。腋の皮膚に、腋毛が何本当たっているか分かるくらい鋭敏に刺激が伝わってきて、汗が垂れる感触すら指で撫でられているほどに強く感じてしまう。
            
            「サウナスーツ越しに薬を塗り込むのに時間が掛かりましたが、ちゃんと効いたみたいですね」
            「お前の仕業かっ!」
            「嘘をついた時にだけ出る特殊な汗の成分に反応して、皮膚感覚を過敏にする薬です。正直に盗んだと言えばよかったのに……」
            「そんな薬があるわけ……」
            「早く盗んだ服を脱いだ方がいいですよ。そんなザラついた素材のサウナスーツなんて着ていたら、すぐに発狂してしまいますからね」
            「なにっ!?」
            
             腋が敏感になったくらいで狂うわけないと矢坂は考えたものの、腋毛や汗だけでも鋭すぎるのに、汗でゴワつくサウナスーツが腋に当たったらどうなるかと考えると、強い不安に苛まれた。
             矢坂は警察官の言った通り、サウナスーツを脱ぐため、腋を開いたままの不自由な状態で、必死で前チャックを下ろしていった。
            
            「くそっ……なんなんだよっ……」
            
             爆弾でも解体するように慎重にチャックを下ろし、矢坂がサウナスーツの前を開くと、汗でじっとりと濡れ、格闘家らしい割れた腹筋と分厚い胸板に張りつくタンクトップが露わになった。
             中で蒸れていた汗の匂いがムワッと拡散すると、自分自身が放つ強烈な汗臭さを自覚し、矢坂の脱ぐ手が止まる。
            
            「お手伝いしましょうか?」
            「ううっ……近寄んじゃねぇよ!」
            「ご自身の汗臭さを恥じらっているのですか?確かにものすごく濃い男の匂いがしますね」
            「やめろっ、嗅ぐなっ!」
            
             警察官は、矢坂のサウナスーツを掴むと前を大きく開かせ、汗で張りついたタンクトップの胸板の溝に鼻を押し当て、たっぷり吸った汗の匂いを楽しんだ。そして、おもむろにサウナスーツをさらに大きく開き、脇腹に手を添えて止めた。
            
            「腋に触れさせず、腕を服から抜き取るのは難しいですよ。本当は服を脱ぐのを手伝ってほしいのではないですか?」
            「変態の手伝いなんて必要ねぇよっ!一人で脱げるから手ぇ出すな!」
            「それは……”嘘”ではないですかね?」
            
             警察官はそう言って笑みを浮かべると、脇腹から腋までを指で撫で上げ、敏感な腋の窪みに指がわざと引っ掛かるように擦り上げた。
            
            「んっ、はぁぁぁぁっぁぁっ!!!?」
            
             脇腹に感じたくすぐったさから導火線を駆け上がるように刺激が広がり、腋の窪みに警察官の指が触れた瞬間に矢坂の中で何かかが弾けた。
             薬の効果はただ感覚を過敏にするだけじゃなく、それを性的な刺激として受け取るようになっていたのだった。
            
            「住宅街の人の往来があるところで、そんなに前を大きくして……どうかされたんですか?」
            「なっ……これは……」
            
             サウナスーツの股間がテントを張るように大きく膨らんでいた。逃亡犯としてまともに抜く時間すらなかった矢坂には、薬で与えられる性的興奮に抗う術などなかった。
            
            「時間を掛けて職務質問や所持品検査を行いたいので、人の来ない路地裏に場所を移しませんか?」
            「くっ……分かった」
            
             逃げられない……そう思わせた上での提案のような脅迫に乗り、矢坂は警察官に導かれ、人がめったに通らない路地裏へと移動した。
            
            
            「下着”で”泥棒とはいえ、屋外でこうして下着姿になるのは、さすがに堪えるのではないですか?」
            「くそっ……」
            
             盗んだサウナスーツを押収された矢坂は、タンクトップとボクサーパンツという元々の格好で、所持品検査を受ける容疑者として、体を前傾させ、ブロック塀に手をついて、足を開いて立つ姿を強制されていた。
            
            「さて、逃亡防止のための策を打っておかないといけませんね。靴を……おや、この匂いは……もしや靴も黒井さんから盗んだのですか?」
            「っ……それは……」
            「答えないつもりですか?……ふぅぅぅっ」
            「んあぁっ!?」
            
             腋に向かって下から吐息を掛けられただけで、矢坂はブルッと体を震わせた。ボクサーパンツは大きく突っ張っていて、すでに先走りのシミまで出来ている始末だった。
            
            「あ、あぁ、盗んだ。黒井ってオッサンの靴だ」
            「新品ならまだしも、よくこれほどまで履き潰され、他人の匂いが染みついた靴を履けるものですね」
            「っ……」
            
             そう言われて改めて、湿った靴の感触に強烈な違和感を覚え、すぐにでも靴を脱ぎ捨てたくなる矢坂。その靴の締めつけから解放したのは、警察官の手だった。
            
            「な、なんで靴なんか脱がしてんだよ……」
            「嗅ぐため……と言いたいところですが、逃亡防止のため、足裏にも薬を塗らせてもらおうと思いまして」
            「薬って、腋に塗ったやつかよ!ま、待て、それは……」
            「逃げなければ大丈夫ですよ。前に逃げた方は、10メートルほど走った後で急に倒れて、地面をのたうち回りながら、何度も何度も射精を繰り返しておられました」
            「っ!?」
            
             逃亡犯の衝撃的な結末をさらりと言い放つ警察官を前に、矢坂は素直に従わざるを得なかった。
             警察官は、まず右足の靴を脱がし、靴の匂いを嗅いだ後、矢坂の足を後ろに曲げさせて、鼻を近づけ、足自体の匂いを思い切り嗅いだ。
            
            「スーハァァッ……なるほど、これがあなたに足の匂いなんですね。黒井さんより蒸れた濃い匂いがしますよ」
            「っ、あのオッサンより足が臭いわけねぇだろっ!」
            「新陳代謝が激しいのはいいことですよ。指の間もこんなに……なんて男を感じる強い匂いなんだろう……」
            「ぐっ、変なところ嗅ぐなよっ!」
            
             指の間まで鼻をすすって嗅がれる恥辱に必死で耐える矢坂だったが、実際に薬が塗りつけられ始めると、そのあまりのくすぐったさに耐えきれず声を漏らして悶えた。
            
            「くっ、ふっ!んっ、くっ!ふっ…くぅぅっ!!」
            「まんべんなくしっかりと塗り込んでおきますね」
            
             矢坂の足裏を、警察官の指が這い回る。中央をツーっと撫でたかと思うと、サイドから土踏まずを擦り上げたり、爪で引っ掻くようにして細かく刺激したり、薬を塗るという名目のくすぐり行為は長く続いた。
            
            「ん、ははっ!く、そっ…んくっ、ふふっ、耐え、らんねえっ!」
            「声を堪えなくていいんですよ。ほら、足の指の間までたっぷり塗り込みますからね」
            
             矢坂の足の指の間に人差し指を突き立てた警察官は、汚れを掻き出すようにくいくいと動かして弱い部分を刺激し続けた。
            
            「ふっ、ひっ、ははははっ!勘弁、してくれっ!!んくっ、ふふっ、はははっ!!」
            「ここは一番強烈な臭いを発する部分ですからね。この際、綺麗にしてあげますよ」
            「んひっ、はっはっはっ!!マジで、勘弁っ!くふっ、ひっ、はははっ、息、できねぇっ!!」
            
             足の指の間まで執拗にくすぐられた矢坂は、汗を垂らして悶え、一度噴き出したら堪えきれない笑い声を上げ続けるのだった。
            
            
            「ハァァッ…………ハァァァッ…………」
            
             両足の裏に薬を塗り終える頃には、矢坂の体はオイルを塗りたくったように汗まみれになっていて、肩を大きく上下させて荒々しい呼吸を繰り返す満身創痍な状態になっていた。
            
            「本来は靴も盗んだ物なので押収しなければならないのですが、裏路地で裸足は危ないので、とりあえず履いておいて頂けますか?」
            「うっ……くっ!?中で指、擦れてっ……ん、くっ、ふはっ……」
            
             サイズの合わない蒸れた窮屈な靴の中で、足の指がギュッと集まり、指同士がつばぜり合いをする。各指の股の間にたっぷり塗られた薬の威力は絶大で、矢坂の前に出来たテントはビクンと震え、先走り汁を溢れさせるのだった。
            
            「くっ、うううっ……」
            「足に体重が掛かる度、ぴりぴりと刺激が股間に伝わるでしょう?……これでもう逃げられませんからね」
            「っ……」
            「大丈夫です。正直に質問にお答え頂ければ、何も問題はありませんから」
            
             警察官はそう言うと、壁に手を突いた矢坂を後ろから抱くように腕を伸ばし、両手の親指を矢坂の腋の窪みに引っ掛けながら、残りの指で発達した大胸筋をむんずと鷲掴みにした。
            
            「ん、あぁぁっ!?」
            「嘘をつかないように常に腋は刺激し続けますから、しっかりと答えてくださいね」
            「っ、くふっ、んくっ……はぁっ…はぁっ……」
            
             警察官が親指で汗まみれの腋毛を撫で回すと、矢坂は大胸筋をプルプル震わせて悶え、吐息と声を漏らした。ボクサーパンツは先走り汁でじっとりと濡れ、興奮状態がずっと続いていることを物語っていた。
            
            「では、まずは……最近射精したのはいつで、どうやって出しましたか?」
            「なっ、そんなっ、ことを……盗みの、話じゃ、ねぇのかよっ!」
            
             腋のくすぐりで途切れ途切れになりながら突っ込む矢坂だったが、警察官は冷静に返してくる。
            
            「早く答えないと、嘘をついていることになってしまいますよ」
            「ぐっ……く、そっ……い、一か月前、くらいに……盗みに入った家で……新品の、オナホ見つけて……それで……」
            「我慢できずに使ったわけですね。一度で満足出来ましたか?」
            「うっ!?それは……くふっ、ふ、はっ、やめっ!」
            
             矢坂が言葉に詰まると、薬で敏感になった腋を親指で円を描くように撫でてくすぐる警察官。全てを洗いざらい告白しなければならない状態に矢坂は追いやられていた。
            
            「久しぶりにシコったせいで、気持ち、良すぎてっ、手ぇ止まんなくて、抜かずに五発、オナホに中出ししたっ!それでも止まんなくて、奥まで突っ込んだら、オナホの先っぽが割れて、チンポが貫通しちまって……その割れ目で先っぽがすげぇ擦れて、もう一発、外に……」
            「なるほど、それであの現場では大量の精液が採取されたわけですね。すごかったですよ、男の匂いに慣れている私でも、思わずむせてしまうほどの濃い精液の匂いが部屋中に漂っていました」
            「ううっ……」
            
             計六発射精したところでようやく我に返った矢坂だったが、精液を拭き取る時間などなく、服だけを盗んでその場を去ったため、この警察官を含めたくさんの人間に自分の吐き出した欲望の残渣を発見され、捜査された恥ずかしさを今さらながら感じていた。
            
            
            「欲望も含めて、正直なことは良いことですよ……では、そろそろ本題に……」
            「っ……」
            
             恥辱のオナニー体験の話の後に、一体何を聞かれるんだと身構える矢坂だったが、警察官が尋ねたのは意外な質問だった。
            
            「気持ち、いいですか?」
            「なっ、そんな質問……そもそも感じちまうのは薬のせいで……ってか、俺の股間見りゃ、今、どういう状況か丸分かりじゃねぇか」
            
             矢坂のボクサーパンツにくっきりと浮かぶ亀頭からは、先走りが滲んでいて、誰が見ても感じまくっていることが分かる姿だった。壁に手を突いた状態のまま、そんな恥ずかしい姿を晒し続けている矢坂に、なおも尋ねる警察官。
            
            「私に腋をくすぐられて気持ちいいのかどうか、答えてほしいんです」
            「んはっ、く、ふっ!わかった、言うから、指で腋撫でるのやめてくれっ!」
            
             返答を催促するように腋の窪みに入れた親指で、汗ばんだ腋を撫で上げる警察官。たまらず声を上げて悶えた矢坂は、素直に今の気持ちを答えざるを得なかった。
            
            「正直っ、言うぞ!路地裏、とはいえっ、外でっ、下着姿にされてっ、壁に手ぇついてる、だけでもハズイのにっ、俺より若い警察官の、それも、おっ、男に、腋を、くすぐられるなんて、すげぇ屈辱だっ!めちゃくちゃ悔しい、はず、なのに……」
            「なのに、どうなんですか?」
            「……すげぇ、気持ち、いいんだっ!腋、弄られたらっ、今はっ、チンポよりも、感じちまうっ!」
            「なるほど、そこまで気持ちいいんですね……では……」
            
             警察官は脇に腕を入れるようにして、矢坂の体を後ろから抱き締めた。矢坂はビクッとするが、所持品検査を受ける容疑者という状況で壁から手を離すことはできず、されるがまま、見た目より逞しい警察官の体を背後に感じていた。
            
            「もっと気持ちよくなってもらいましょうか」
            「っ、なにをっ!?」
            
             警察官は矢坂の体の前で、腕をクロスさせ、そのまま腋に向かって両手を伸ばした。先ほどは親指だけだったが、今度は全ての指が腋に差し込まれた状態で、縦横無尽なくすぐりが始まる。汗ばんだ腋毛を逆撫でするようにくすぐられると、矢坂はすぐに声を上げて悶えた。
            
            「くはぁっ!んふっ、くふぅっ!ちょっ、やめっ、くはははっ!」
            「しっかり支えていますから、腰が抜けるほど感じてしまっても問題ありませんよ」
            
             くすぐられる矢坂にとっては、支えられているというより、後ろから押さえつけられている状態に近く、仰け反って逃げることもできず、体を左右に揺するくらいしかできなかった。左右に揺れると靴の中で指が動いて擦れ合い、さらなる強烈な快感に襲われる連鎖に嵌まってしまう。
            
            「んはっ、くふふっ、これっ、感じ、すぎるっ、待てっ、ちょっ、タンマッ!」
            「大丈夫ですよ、正直に快感に身をゆだねてしまって……あ、でも手は壁から放しちゃダメですよ。今はまだ所持品検査中ですからね」
            「そん、なっ!くふっ、んっ、くっふふっ、ははっ、これ、ヤバいって!」
            
             矢坂は体を前傾させ壁に手を突いたまま、自分自身の下半身に目を遣った。頭が真っ白になりそうな快感を示すように、中で勃起してパツンパツンになったボクサーパンツの先っぽから、もはや吸いきれない透明な汁が糸を引いて地面へと垂れていた。
            
            「ん、ははっ!おっ、おかしいっ!あぁっ、チンポ弄ってねぇのにっ、い、イっちまいっ、そうっ!」
            「腋の方が感じるとご自身で言っていたじゃないですか。怖がることはありませんよ。腋だけでも射精できます。思いきり出せるようにお手伝いしますから」
            
             警察官はそう言うと、矢坂をさらにきつく抱きしめ、身動きが一切取れないようにした上で、腋の窪みに左右十本の指の先端を入れ込んで、腋毛に覆われ守られた、一番弱い部分を責め立てた。
            
            「んっ、はははぁっ!それっ、無理っ!くふっ、ははははっ!」
            「ほらほら、そんなに体を揺らすと、足にも来ちゃいますよ!」
            「うくっ、はははっ!や、べっ、指、擦れてっ、ふはっ、ははっ!い、息っ、できねぇっ!」
            「でも気持ちいいでしょう?」
            「くふっ、ははっはっ!もっ、ギブッ!くすぐってぇのに気持ち良くてっ、頭、変になるっ!」
            
             警察官の巧みな指遣いで腋をこれでもかとくすぐられ、矢坂は頭を振り乱して笑い啼いた。下半身では、汁ダクと揶揄されてしまうくらいトロトロと先走り汁を溢れさせていて、その量は迫る絶頂の近さを示していた。
            
            「ほら、腰を引こうとしちゃダメですよ!こうやってしっかり突き出してっ!」
            「んっ、あぁぁっ!先っぽ、擦れるっ!んひっ、ああぁぁっっ!!」
            
             後ろから突かれるように腰を前に突き出された矢坂のパツンパツンになったボクサーパンツには、割れ目が見えるほどくっきりと大きく張った亀頭の姿が現れた。
            
            「さあ、最高に気持ちよく出してください」
            
             矢坂の耳元でそう囁いた警察官は、左右同時に親指を腋の窪みに入れ込み、下から引っ掻くようにして何度も何度も逆撫でしてくすぐりまくり、矢坂を絶頂へと押し上げていった。
            
            「んぅぁあぁぁっ!んひっ、はははっ!それっ、キツっ、あぁぁっ、チンポにっ、響くっ!くふっはははははっ!ダメ、だっ!チンポ、弄ってねぇのにっ、んはっ、ふふふっ、イ、イっちまうぅぅぅっ!!出るぅっっ!」
            
             ドビュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!!ビチュゥゥゥッ!ビュルルルゥゥッッ!!!ビュルルッ!!
             ボクサーパンツを軽々と突き抜けた白濁液は、矢坂が手を突くブロック塀に向かってドバドバと噴き出す。壁にぶつかりビチャビチャと白い糸を引きながら飛ぶ様は、まるで白い立小便をしているようで、強い快感により止め処なくザーメンが溢れ出続ける。
            
            「一か月分溜まってるんですから、どんどん出していいですよ!ほら、汗だくの腋をもっともっとくすぐってあげますから!」
            「ふくっ、ははははっ!や、めっ、イってる、途中っ…んはっ、ダメっ、あははははっ!!」
            
             射精中まで徹底的にくすぐられ、笑いながら大量のザーメンを放出する矢坂は、息も絶え絶えに警察官のくすぐり責めを受け続け、一発で出したとは到底思えない量の白濁液を、ブロック塀と地面に浴びせ掛けるのだった。
            
            
            「ハァァァァァァッ……ハァァァァァァッ……」
            
             全身汗だくになりながら、限界までくすぐられ笑って射精し体力を使い切った矢坂は、警察官に後ろから抱かれた状態で全体重を預けて、肩で息をしていた。
            
            「射精したのでもう薬の効果は切れていると思いますが……その……気持ち、良かったですか?」
            「……あぁ、すげぇ気持ち良かった」
            
             笑い声が木霊していた射精中と打って変わって、射精後のまったりとした時間が流れる。警察官は矢坂の体をさらにギュッと抱き寄せた。
            
            「本気で暴れられたら、格闘家のあなたを私一人で止めることは難しいです。ですが……もし大人しく捕まって罪を償ってもらえるなら、もう一度、これ以上の気持ちよさを味わわせるとお約束します」
            「……一度だけか?」
            「再び罪を犯さなければ、何度でも……」
            「なら、捕まえてくれ。いい加減、逃げんの疲れちまったし……」
            
             こうして、空き巣を繰り返す矢坂の逃亡生活が終わり、暴行や窃盗の罪で矢坂は数年間服役することとなった……。
            
            
            「非番だったので、迎えに来ましたよ」
            「へへへっ、ムショ帰りの俺の汗臭い腋を早く嗅ぎたくて休みとったんだろ、どうせ!」
            「……ええ、一週間まとめて休みを取りました……ずっとこの日を待っていたんです。寝かせませんからね」
            「えっ……マジかよ……」
            
             出所日となった夏の暑い日、タンクトップ姿で汗臭い腋を見せつけていた矢坂は、これからどれだけ長い時間くすぐられて、どれだけの量を搾り取られるんだと考え、ゾワッとして腋を慌てて閉じた。
             二人が乗る車が向かう先は、山間にあるコテージ。男の野太い笑い声がどれだけ響き渡っても、誰にも迷惑が掛からない絶好のくすぐりスポットで、笑いの絶えない日々が始まろうとしていた……(完)