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DesireRoom29 END-2 SS

※R-18ゲイ向けのSSです。

腹責エンド

(甘さ:★・・・・)

『こんなに胃液を吐き出して……
             ちゃんと水分をとらないと脱水症状を起こしてしまうぞ』
            
             俺はスポーツドリンクのボトルを取ってきて、
            甲斐の方に飲み口を向けた。
            
            「…テメェ…何企んでやがるっ!」
            『お前の健康を考えて、飲ませてやろうって言ってるんだ。
             何も考えず、さっさと口を開ければいいんだよ!』
            
             そう言って、甲斐の鼻をつまんで無理矢理口を開けさせると、
            飲み口を突っ込んで、ボトルをギュッと押し潰した。
            
            「んぐぉっ!?」
            『ほら、どんどん飲まないと、
             スポーツドリンクで溺れ死ぬことになるぞ』
            「ングッ、ングゥォッ!!」
            
             甲斐の喉仏が何度も上下に動き、
            流し込まれるスポーツドリンクを腹の中に収めていく。
            
             俺は、一リットル以上入るドリンクホルダーが空になるまで、
            甲斐に一気飲みさせ続けた。
            
            「んごっ!んぐっ!うっ……ゴホッ!ゴホォォッ!!」
            『おっと、飲み干したそばからリバースするなよ』
            「ハァッ…ハァッ…ぐ、ううっ…腹が、苦しいっ…」
            
             甲斐はうつむいて、たぷたぷに膨らんだ腹を、
            苦しそうな顔で見つめている。
            そんな甲斐を尻目に、俺は、
            誰が履いていたか分からない汚いアンストを床から拾い上げた。
            
            「うぐっ、臭ぇ!?んなもん、近づけんなっ!!」
            
             元は白かったはずの強烈な汗臭さを放つアンストで、
            甲斐がさっき吐き出した胃液を拭う。
            大胸筋に張りついた大量の汁が、汚れた布地に吸い取られていく。
            
            「テメェ、さっきから訳分かんねぇことばっかしやがって、
             どういうつもりだ!」
            『俺の目的は明確だぞ……お前をもっと苦しめる、ただそれだけだ』
            「っ!?ムグゥゥッ!!?」
            
             不意を突いて、甲斐の口の中にアンストをねじ込む。
            胃液の酸っぱさと、誰のモノとも分からない男の汗の味が、
            甲斐の口内を占拠する。
            
            「ン゛グェッ!!ンングッ、ン゛ッ!?」
            『すぐにでも吐き出したいだろうが、そうはさせないぞ』
            
             吐き出そうとする甲斐の動きを封じるように、ガムテープで口を塞ぐ。
            
            「ン゛ゥゥッ!!」
            『苦しいよな。他人の靴下を口に押し込まれて、フタまでされて……
             だが、まだ終わりじゃないんだぞ』
            
             俺は、苦悶の表情を浮かべる甲斐をその場に残し、
            室内に転がったボールをかき集めて、ピッチングマシンの所に行った。
            
            『知ってたか?このマシン、もっと急速を上げられるんだぞ。
             今までは練習用の120キロに設定してあったから、
             まずは……140キロくらいで試してみるか?』
            「ッ!?ンッ、ンンッ!!」
            
             甲斐が何か叫んでいるが、口を塞がれていては言葉にならない。
            
            『さて、行くぞ……プレイボール!』
            
             俺がそう言うと、ピッチングマシンがうなりを上げて、
            甲斐の腹筋へと真っ直ぐにボールを投げた。
            
             シュゥゥゥッ……ドスゥゥゥゥゥゥッ!!!
            「ン゛ッ、ゴォォォォォォォッ!!!!」
            
             狙い通り、割れた腹筋に突き刺さったボールが、
            さっき大量に飲ませたスポーツドリンクで膨らんだ胃を押し潰す。
            
             胃液が食道を駆け上がり出口を求めて、
            口内に充満しているのが、膨らんだ頬で分かる。
            
            「んぅぅぅっ!!?」
            『吐き出せなくて残念だったな……
             口に溢れた胃液は、全部飲み込むしかないぞ』
            「ぐっ、ンンンッ……ゴックゥゥゥッ……」
            
             スポーツドリンク味の胃液を再び飲まされる苦痛と屈辱に、
            甲斐は項垂れ、その顔は悔しさに歪んでいた。
            
            『そうやって前傾していると、ボールが脳天に突き刺さるぞ。
             それでもいいのか?』
            「ぐっうううっ……」
            
            顔を上げさせた後で、ピッチングマシンに次の投球を指示する。
            
            『お次は150キロだ……失神するんじゃないぞ!』
            「っ!?」
            
             上下のローラーがさっきより早く回転し、速球を送り出す。
            
             シュゥゥッ……ドゴォォォォォォォッ!!!!
            「ン゛ッ、ぎっぃぃぃぃぃぃっ!!!!!!」
            
             甲斐の身体が折れ曲がる。
            腹筋に深々とめり込んだボールが、甲斐の内臓をえぐる。
            胃から拭き上がった濁流の勢いは、喉仏の動きからも見て取れた。
            
            『おいおい泣きそうじゃないか?そんなに苦しいのか?』
            「ンッ、うううううっ……」
            
             溢れてくる胃液を必死で飲み干す甲斐の目には涙が溜まっていた。
            
             腹筋に剛速球を投げ込まれる激痛と、
            吐いた胃液を腹の中に飲み下す苦痛が、甲斐を追い詰めていた。
            
            『そんなに辛いなら、あと一球で終わらせてやる。
             ……160キロ超のデッドボール、その自慢の腹筋で受けてみろよ!』
            「っ!?」
            
             このピッチングマシンが出せる最速に設定する。
            聞いたことのない音を立てながらローラーが回り始め、
            最後の一球を、ものすごいスピードで放った。
            
             シュッ…ズドォォォォォォォォォォォォォンンンッ!!!!
            
            「ン゛ン゛ッ!!?ぐっおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」
            
             甲斐のバッキバキの腹筋に、穴が開いたのかと思うくらい、
            ボールが背骨まで達するほど、深々とめり込んだ。
            
             鳩尾を狙った剛速球に押し潰され、甲斐の胃が爆ぜる。
            そこから噴き出る胃液の濁流は、ガムテープの粘着力を凌駕した。
            
            「ごっ、はぁっぁぁっっ!!」
            
             甲斐の口から、胃液まみれのアンダーソックスが吐き出され、
            床にビチャリと音を立てて叩きつけられた。
            
             その後を追うように、飲ませたスポーツドリンクの臭いがする胃液を、
            次から次へと吐き出していく。
            
            「ぐっえええぇぇっぇっ!!ぐげぇぇぇぇぇっ!!」
            『全部吐き出していいぞ……
             その嘔吐の苦しみを与える為に、飲ませたんだからな』
            「ッ…んぐぅぇぇっ!!ゲホッ…ゲホォォッ……」
            
             時折むせながら、止め処なく胃液を垂れ流す甲斐の目からは、
            苦しさと悔しさの涙が溢れ出し、
            全ての吐瀉物を吐き終えると、力尽きたようにガクッと項垂れた。
            
            
            『失神したか。
             無理もないな、あんな球を腹筋で受け止めて、無事な方が変だ』
            
             俺はそう呟きながら、
            甲斐の手足を縛るガムテープを切って、その拘束を解いた。
            
            「……それを待ってたんだよ、オレは!」
            『な、にっ!?んぐっ!?』
            
             甲斐の手のひらが俺の口を塞ぐように、顔を鷲掴みにした。
            そして、そのままぐいぐい押され、後ろの壁に押し付けられる。
            
            「テメェ……オレにあんなことして、ただで済むと思ってねぇよな?
             まあ、オレは、ピッチングマシンなんて使わねぇが……」
            『っ!?』
            
             甲斐は、俺のアンシャツの首元に手を掛けると、
            上に着ているユニフォームごと、片手で軽々と引き裂いた。
            そして、露わになった俺の腹筋を撫で回す。
            
            「オレほどじゃねぇが、テメェもなかなか鍛えてんじゃねぇか。
             ……だが、どんだけ鍛えても効くところがあるって知ってっか?」
            『…っ……』
            「この辺りを殴るとな……息ができねぇぐらい痛ぇんだ!」
            
             ドスゥゥゥっ!!
            『んぐぉぉぉぉぉぉぉっ!!!?』
            
             右脇腹に甲斐の拳が突き刺さる。
            強烈なレバーブローを食らった俺は、甲斐の言った通り呼吸困難に陥る。
            
            「どうだ、マジで息できねぇだろ?
             ……そんでこれが、喧嘩慣れしてねぇヤツだと、
             すぐにゲロっちまう殴り方だ!」
            
             ドムゥゥゥゥッ!!!
            『ウッ!?ぐっえええっ!!!』
            
             鳩尾を打ち上げるようにめり込んだ拳が、俺の胃をピンポイントで潰す。
            食道を上がってきた大量の胃液が、
            俺の口を押さえる甲斐の指の間から、びちゃびちゃと漏れ出す。
            
            「汚ぇな……もっかい息止めてやっか!」
            
             甲斐の拳が容赦なく俺のレバーを狙って撃ち込まれる。
            
             ドゴォォォォォッ!!
            『んんぐっ!?』
            「おらっ、胃液でうがいでもしとけよ!」
            
             息ができず、胃液を飲み込めくなった俺は、自分の吐いた胃液で溺れる。
            涙を流し始めた俺を嘲笑うかのように、
            甲斐は再び鳩尾を殴って、胃を捻り潰した。
            
             ドッムゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!!
            『ふぐっおおおおおっ!おっええぇっぇぇっ!!!』
            
             駆け昇る胃液が、甲斐の手によってせき止められ、
            再び胃へと戻ろうとするが、甲斐はそれを許さず、
            まるでポンプを押すかのように、俺の鳩尾を何度も何度も殴りつけた。
            
            「おらっ!おらっ!どうだっ!」
            
             ドスゥゥッ!!ドムゥゥゥッ!!ドゴォォォォッ!!
            『んぐぇっ!!ぐっおおおっ!!ふぐぁああぁっっ!!』
            
             時折レバーブローを打ち込み、胃液うがいで俺を泣かせながら、
            甲斐は、俺の腹筋を内蔵ごと捏ね回すように拳を打ち込み続けた。
            
            「さっきはオレの腹筋を散々苛めてくれやがったからな……
             胃液吐く時も、オレより盛大に噴き出してもらうぞ!」
            
             甲斐はそう言うと、口を塞いでいた手を離し、
            俺の顎を掴んで、強引に上を向かせた。
            
            「おらっ、胃液の噴水、見せてみろやっ!」
            
             鳩尾に強烈なボディブローを叩き込まれる。
            今までと違い、胃が完全に潰れても構わないという威力の拳だった。
            
             ドッムゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!!
            『んっぐ、おおおおおおおおっ!!!
             うぐえぇっ!!!おっええええええっ!!!!!』
            
             上を向かされた口から、胃液が噴水のように噴き上がる。
            天井にまで達するほど飛んだ薄緑色の液体が、俺の顔へと降り注ぐ。
            それを避けることは許されず、顔を上げたままで顔面で受け止めた。
            
            
            『ハァッ………ハァッ………ぁ……ぁ……』
            「どうだ、これが本当の腹責めってやつだ。地獄みてぇだったろ?
             だいたい、オレに喧嘩を売るなんざ百年早ぇんだよ」
            
             ……俺はずっと考えないようにしてきたつもりだった。
            
             甲斐が、リトルリーグから続けてきた野球を一旦離れ、
            高二で監督の目に留まり更生するまでの間、バットを人に向けるような、
            喧嘩に明け暮れる日々を送っていた元ヤンだったことを……
            
             他の部員が、甲斐を前にすると委縮する中、
            俺だけは同じ部活仲間として対等でありたいといつも思っていた。
            
             でも無理だった……試合に負けるとストレスの捌け口として使われ、
            やり返せたと思ったら、今みたいなさらに酷い仕返しがくる……
            
            「うげえっ、オレの腕にも胃液がスゲェ掛かってやがる。
             さっさと洗いに行かねぇと……」
            
             甲斐がドアに向かって歩き出す。
            その背後で倒れている俺の手に、冷たい金属の棒が触れる。
            
            『……もう、たくさんだ…』
            
             その冷たい金属の棒を握り締めた俺は、甲斐のあとを追う。
            
            『……お前にとって…バットは人を殴る為の道具だったんだろう!』
            
             そう叫び、金属バットを振りかざした俺が、
            本当は一番、甲斐のことを元ヤンだという偏見の目で見ていて、
            それが甲斐をイラつかせる原因になっていたのかもしれない……(完)